Webデザイナーに資格は必要?難易度やメリットについて

今回は、Webデザイナーの資格についてです。

これからWebデザイナーになろうとしている人は、資格を取った方がいいのか気になるかもしれません。

この記事では、Webデザイナーに関する資格について紹介します。

Webデザイナーを目指す人や現役デザイナーはこの記事を読んで参考にして下さい。

Webデザイナーに資格は必要なのか?

結論から言うと、必要ありません。むしろほとんどのWebデザイナーは資格を持っていないと思います。

知識も大事ですが、デザインセンスだったり経験だったりと、実務的なスキルが求められるからです。

Webデザインの勉強を始めたばかりの人は、資格取得を目指すのではなく、デザインの基礎知識やデザインソフトの操作、コーディングの勉強をして下さい。

ある程度の実務スキルを身につけたという人は、知識を深めるために資格に挑戦するのも良いと思います。

知識を高めるための手段として活用するのはとても良いです。実務では学べないような知識も、資格を通して学ぶことができます。

Webデザイナー向けの資格というのは、能力の証明というより、知識を高めるための手段だと考えましょう。

Webデザイナー関連の資格

Webデザイナーに関する資格はいくつかあります。気になる資格があれば受けてみても良いでしょう。

ウェブデザイン技能検定

http://www.webdesign.gr.jp/

ウェブデザイン技能検定は、国家検定制度である技能検定制度の一つとして、
厚生労働省より職業能力開発促進法第47条第1項の規定に基づき指定試験機関の指定を受け、
特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会(以下、当協会)が実施するものです。

https://www.webdesign.gr.jp/

学科と実技によりWebデザイナーとしての能力を測ることができます。

3級はかなり基本的な内容で、コーディングが正しくできる人であれば少しの勉強で合格できるレベルです。

1級になると難易度も高く、Webサイトやインターネットに関する深い知識が必要なため合格が難しくなります。

合格率は、3 級 60-70%、2 級 30-40%、1 級 10-20%くらいです。

自分の経験やスキルに応じてレベルが選べるのが良いですね。深い知識を得たいという人は、ぜひ1級にチャレンジしてみて下さい。

3級
合格率60-70%
手数料学科: 6,000円 / 実技: 8,000円  または3,000円(25歳未満の在職者)
受験資格ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者
合格基準(学科)70点以上(100点満点)
合格基準(実技)70点以上(100点満点:ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)
出題形式(学科)筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式
出題形式(実技)課題選択方式
2級
合格率30-40%
手数料学科: 7,000円 / 実技: 16,000円 または7,000円(25歳未満の在職者)
受験資格・2年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)した者
・大学(※3)を卒業した者
・高度職業訓練(※3)を修了した者
・3級の技能検定に合格した者
合格基準(学科)70点以上(100点満点)
合格基準(実技)70点以上(100点満点:ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)
出題形式(学科)筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式
出題形式(実技)課題選択方式
1級
合格率10-20%
手数料学科: 8,000円 / 実技: 25,000円 (実技はペーパー実技含む)
受験資格【実技試験】
・1級の技能検定において、学科試験に合格した者(※1)
【学科試験】
・7年以上の実務経験(※2)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)
後、5年以上の実務経験(※2)を有する者
・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者
・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者
・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者
合格基準(学科)70点以上(100点満点)
合格基準(実技)70点以上(100点満点:ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)
出題形式(学科)筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式
出題形式(実技)課題選択方式

※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合に限る。
※2:実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。

Webクリエイター能力認定試験

https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/

様々な資格試験を実施しているサーティファイが主催している資格試験です。

WWWで利用される技術の世界的な標準化を図るW3Cに完全準拠した、セマンテックなマークアップスキルを測定する認定試験です。

https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/contents/about/

つまりW3Cが定める通りにコーディングできるかどうかを判定するということです。

ウェブデザイン検定試験に比べると実務的な能力を問われます。

この資格にはスタンダードとエキスパートの二つのレベルがあり、スタンダードは実技試験のみ、エキスパートは実技と知識問題があります。

認定基準
エキスパートレイアウト手法や色彩設計等、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインを表現することができる。また、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイトを構築することができる。
スタンダードセマンテックWebを理解し、HTML5をマークアップすることができる。また、CSSを用いてHTMLの構造を維持しつつ、Webページのデザインやレイアウトを表現することができる。
スタンダード
手数料5,900円(税込)
受験資格学歴、年齢等に制限はありません
合格基準実技問題の得点において得点率65%以上
出題形式(実技)配布された問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集を行い、解答データを提出する
エキスパート
手数料7,500円(税込)
受験資格学歴、年齢等に制限はありません
合格基準知識問題と実技問題の合計得点において得点率65%以上
出題形式(知識問題)多肢選択形式(4択)
出題形式(実技)配布された問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集を行い、解答データを提出する

Photoshop®クリエイター能力認定試験

https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/

Photoshopの能力を証明するための資格です。

より実践的な能力が求められるので、Webデザイナーに必要なPhotoshopの操作スキルを高めるためにチャレンジしてみても良いでしょう。

スタンダードとエキスパートの二つのレベルがあります。スタンダードは実技・実践のみ、エキスパートは実技・実践と知識問題があります。

累計91,233名(2022年3月31日時点)が受験しており、2021年度平均合格率は74.1%になります。

スタンダード
手数料7,600円(税込)
受験資格学歴、年齢等に制限はありません
合格基準実技問題の得点率65% 以上で、かつ実践問題の得点率70% 以上
出題形式(実技)問題文の指示に従ってPhotoshop®上で編集 を行い、解答データを提出する。
出題形式(実践)問題文の指示に従ってPhotoshop®上で編集 を行い、解答データを提出する。
エキスパート
手数料8,600円(税込)
受験資格学歴、年齢等に制限はありません
合格基準知識問題・実技問題の得点率65% 以上で、かつ実践問題の得点率70% 以上
出題形式(知識)多肢選択解答形式
出題形式(実技)問題文の指示に従ってPhotoshop®上で編集 を行い、解答データを提出する。
出題形式(実践)問題文の指示に従ってPhotoshop®上で編集 を行い、解答データを提出する。

Illustrator®クリエイター能力認定試験

https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/

こちらは上記のイラレ版です。

世界基準のグラフィックツールである「Illustrator®」の活用能力を測定・評価する資格検定試験です。
「Illustrator®」を用いたDTPファイル及びWebデザインパーツの作成や、問題の指示に従い1つの作品を作り上げる表現力などの、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。

https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/

累計95,683名(2022年3月31日時点)が受験し、2021年度平均合格率は73.2%になります。

スタンダード
手数料7,600円(税込)
受験資格学歴、年齢等に制限はありません
合格基準実技問題の得点率65% 以上で、かつ実践問題の得点率70% 以上
出題形式(実技)問題文の指示に従ってIllustrator®上で編集を行い、解答データを提出する
出題形式(実践)問題文の指示に従ってIllustrator®上で編集を行い、解答データを提出する
エキスパート
手数料8,600円(税込)
受験資格学歴、年齢等に制限はありません
合格基準知識問題・実技問題の得点率65% 以上で、かつ実践問題の得点率70% 以上
出題形式(知識)多肢選択解答形式
出題形式(実技)問題文の指示に従ってIllustrator®上で編集を行い、解答データを提出する
出題形式(実践)問題文の指示に従ってIllustrator®上で編集を行い、解答データを提出する

Photoshop、Illustratorクリエイター能力認定試験はWebデザインだけではなくDTPの知識も必要になります。Webデザインとは関係ない部分ですが、デザイン全般の広い知識得るには覚えておいて損はありません。

HTML5プロフェッショナル認定試験

https://html5exam.jp/

HTMLだけではなく、CSSやJavaScriptの知識やスキルも必要になる資格です。意外と知られていない知識も学べるので、コーディングを深く学びたい人にはかなりおすすめできます。

マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力を測るレベル1と、システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力を認定するレベル2で構成されています。

レベル1
手数料¥16,500(税込)
合格基準合格点は公表されていません。サイコメトリック(計量心理学)を導入し、約7割程度の正答率で合格できるような設定となっています。
出題形式試験方式はコンピュータベーストテスト(CBT)です。マウスによる選択方式がほとんどですが、キーボード入力問題も多少出題されます。
試験問題数約60問
学習期間目安一般的な学習期間の目安としては、3か月~半年程度です。
レベル2
手数料¥16,500(税込)
合格基準合格点は公表されていません。サイコメトリック(計量心理学)を導入し、約7割程度の正答率で合格できるような設定となっています。
出題形式試験方式はコンピュータベーストテスト(CBT)です。マウスによる選択方式がほとんどですが、キーボード入力問題も多少出題されます。
試験問題数40~45問
学習期間目安HTML5 レベル1の認定取得を前提。一般的な学習期間の目安としては、半年~1年程度です。

その他の資格

Webデザイナーに関する資格は他にもあります。

ウェブ解析士

Webマーケティングやアクセス解析などの知識を測るための資格です。Webデザイナーとしてレベルアップするためには、マーケティングやGoogle Analyticsなどの知識があったようが良いです。

この資格を勉強することで、Webサイトを作るだけではなく、その後どのように運営していくべきかを学ぶことができます。

カラーコーディネーター

色に関する様々な知識を問われる資格です。色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることで、色の持つ効果を学ぶことができます。

Webサイトを作る上で、色に関する知識は重要です。より詳しくなるためにも、受験してみても良いでしょう。

どれを受けるべき?

この中で最初に受けるならWebクリエイター能力認定試験がおすすめです。出題範囲にあまり偏りがなく、Webデザイナーに必要な知識を網羅的に学ぶことができます。

デザインソフトかコーディングのどちらかに力を入れたいという人もいるでしょう。

フォトショやイラレをしっかり学びたいならPhotoshopクリエイター能力認定試験やIllustrator能力認定試験を受けてみるのが良いと思います。

コーディングをしっかり学びたいのであれば、HTML5プロフェッショナル認定試験を受けてみると良いでしょう。

ウェブデザイン技能検定は級が上がるほどカバー範囲がかなり広くなるため、Webに関する知識を極めたいという人は受けてみると良いでしょう。どちらかというと、上級者を目指す人に挑戦して欲しい資格です。

資格を取得するメリット

資格を持っているからWebデザイナーとしてのスキルが高いとは言えません。

しかし、基礎的な知識をしっかりと身に付けるために資格を利用するのは一つの手段です。

資格によっては高度な専門知識がないと合格できないものもあり、資格合格を目指して勉強すればより知識を深めることができます。

また、未経験で実務経験がない人は、転職活動で経験の浅さを保有資格でカバーするという方法もあります。

実務や普段の学習だけでは気づけない知識の抜けを、資格の学習を通して学ぶことができます。

まとめ

Webデザイナーになるには、デザインセンスやデザインソフトの操作スキル、コーディングのテクニックなどが重要です。正直、資格の有無はそこまで重視されません。

Webデザインの初学者は、資格の勉強よりも実務スキルを伸ばすことをまずは目指して下さい。

ある程度基礎的な技術が身について「次は知識を深めたい」と思っている人は、資格の勉強をしてみるのも良いかもしれません。


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